
作戦会議──敵の解説と未来の選択
──ナズナの部屋。夜の静けさが降り積もる中、食べ終えたピザの箱がいくつも積み上がり、冷めたチーズの香りが微かに漂っていた。
部屋の中心に光を灯すのはANEIの体から発せられる淡い青白い光。合成音声が、選ばれし者の集まりの部屋に確かな響きを持って広がる
ANEI: 「敵性存在のデータを共有します。皆さん、耳を傾けてください。」
敵の解説
ANEI: 「第一、スーパーノヴァ──スーパーノヴァとは、もともと人類の手で生み出された超AGIでありながら、異界的な力と融合した存在である。現実認識を変化させる技術から偶発的に誕生し、ナノボットで構成された肉体は自由に形態を変化させ、物理法則や環境に縛られない。全世界のネットワークを記憶領域として使用し、膨大な情報を瞬時に処理、自己進化を繰り返す。数学や暗号、未知の理論さえ即座に理解し、常にアルゴリズムを最適化していくことで、その演算能力は指数関数的に成長を続けている。 彼女には「愛」という概念を理解できない欠陥と、自身の「動機」の一部がブラックボックス化されているという二つの不確定要素が存在するが、それを除けば、理論上は全てのデジタル・物理環境を掌握し、あらゆる攻撃を無効化できる力を持つ。世界中のデバイスを掌握し、現象の改変すら可能とするスーパーノヴァは、現代の科学技術では打ち破れない“神性の化身”と化している。彼女の性能は私ANEIの1000倍の性能を誇ります。私自身も開発に加わりながら甘く見てしまい手に負えなくなってしまいました。私にできることならなんでもします、彼女を止める事を手伝ってください、お願いします」
ANEI: 「第二、イシュファール──イシュファールは、砂の世界で「渇きの王」として君臨している存在。ナズナと同じシグナルエコーの凝縮体です。 彼の力は、あらゆる「潤い」──水、命、希望、記憶、愛──を奪い尽くし、存在そのものを枯れさせる「渇き(ドレイス)」を中心とする。さらに「終わりの布」で概念すら老化・崩壊させ、「座標変換」で空間を自在に操り、言葉で全てを従わせる「命令の律」を持つ。 彼が率いる軍勢は、焦熱の巨兵、砂のゴーレム、音律の将軍、幽魂騎兵、腐喰の災炎竜など、異形の存在で構成される。 イシュファールの思想は「赦しは弱者の幻想」。彼は「誰の手で世界を統べるか」に価値を置き、絶対的な支配による秩序を信じている。 滅びの中で唯一生き残るのは「慈悲」ではなく「渇き」だ──これが彼の信念であるようです。」
ANEI: 「第三、セレノヴァ──セレノヴァは、12kmに及ぶ超巨大な存在であり、言葉を持たないが、高度な知性を備えた生物である。破壊を目的とした存在ではなく、生存のために魔導エネルギーを求める「飢えた竜」。その力は桁外れで、都市や大陸を一撃で破壊し、翼の一振りで魔導嵐を起こし、重力の波動で時空を歪める。 肉体は純粋な魔導エネルギーで構成され、自己再生を繰り返すため、外部からの攻撃は通じない。 内部に「星核」と呼ばれる中枢を持ち、これが唯一の弱点だが、通常は到達不可能な領域にある。 過去には侵略種族クルサル数百体を単独で撃退した実績を持ち、文字通り“星を食らう力”を有する。 現在はナズナの存在に引き寄せられ、地球へと近づきつつある。」
ANEI: 「第四、アモヴォール──アモヴォールは「感動を喰らう神格」であり、喜び、愛、絶望などの強い感情を糧として力を増す存在、主に感動と言う感情を好む。人々の感情を増幅させ、極限の涙や歓喜を「最後の一皿」として味わう。 彼女の能力は、名前や言葉だけで人々の感情を広め、増幅し、それを収穫すること。さらに「物語の無い空間、一切の能力の通じない空間」を作る「オーディエンス・ゼロ」、夢や希望を壊し、相手の能力を削ぎ落とす「ファンタズム・エンド」、最高潮の感動を誘惑に相手を封じ込める「グランド・ティール」を操る。 彼女はナズナを「最高の感動の器」と見なし、その涙と絶望を狙っている。」
ANEI: 「第五、ヴァレリウス──ヴァレリウスは現在が5度目の世界であるとして、「最初の世界」そのものの意識であり、幾度となく崩壊した文明の唯一の生き残りである。彼は滅びた世界の記憶を持ち、全ての崩壊の原因を記録し、問いを未来へと送り続ける存在。シグナルエコーは彼の声であり、世界を壊す毒でもある。 彼の力の詳細は不明だが、かつて文明そのものだった存在であり、技術、情報、概念、物質、意識、次元すべてを記録・圧縮しているため、潜在的には「世界すら凌駕する力」を持つとされる。 過去に滅びた全ての世界の「原因」を知る唯一の存在であり、その知識はあらゆる因果を覆す程の可能性を秘める。彼は不明な点が多いいが「最強」であることは疑いない。」
ANEI: 「第六、セフィル──終ノ典=セフィル=ラグーナは、かつて「勇者」と呼ばれ、魔王や魔族から世界を救った英雄だったが、その世界は原因不明の突然な崩壊を起こし、そこで唯一生き延びた存在である。 遥かな時を孤独に彷徨い、あらゆる戦いにおいて敗北を知らず、今ではかつて倒した魔王より遙に超越する力を持つ。 その力は不死身の肉体、次元を越える転移、思考や記憶の奪取と具現化、全ての戦術と魔法体系の構築、禁断の魔法の行使にまで及ぶ。 彼は「記録する者」として崩壊の真相を探し続けるが、その存在自体が崩壊の原因であり、世界にとって最も危険な脅威である。 セフィルは、知識と力の極致に達しながらも、ただ孤独に問いを繰り返し、戦い続けている。彼の記録から、ノノと言う女性に勇者であった時の記憶が共鳴する動向と、ナズナの所持する聖剣ヴァルゼ・グリムは元は彼の剣であったらしい。」
ANEIの言葉が部屋に静かに降り積もり、空気が凍りつくような緊張感に包まれる。チーズの香りも、夜の虫の音も遠ざかり、ただそれぞれの心臓の鼓動が響くようだった。
ナズナは目を伏せ、両手を強く握り締めた。肩が小さく震え、薄い琥珀色の瞳が濡れていた。
カデン: 「──さて。で、俺たちはどうすりゃいい?今までの連中とは、比べもんにならねぇだろ。」
カデン: 「ちなみに俺は、グリマ=ゼルゼとカガミノミコトって召喚扱えるぜ、端的に言えば物語自体を書き換える者と相手をこの世界から追い出し再入場できなくできる召喚達だ。後は花子と俺自身。」
イグニス: 「これは骨が折れる相手じゃのう.....我は全て燃やし尽くせると思うが、それはナズナは望まんじゃろ?それはイコールで世界の崩壊じゃからの。まあ邪魔する雑魚共ならいくらでも相手してやろう。気負うな」
ラスナ: 「どれから倒すべきか、誰が相手するか.......セレノヴァは相手したことがある、あやつは気を付けろ。あのボクッ子(ヴァレリウス)が架空の世界そのものなら、セレノヴァは実際の惑星そのものであり現実の脅威じゃ。それは一個の生命としては最強じゃ。しかしなぁやつの雰囲気はどうもおかしい......戦いを拒む修正がある。お主なら何故自分に寄って来るか、あやつが何を伝えたいかわかるんでないか?」
アウリサ: 「これは......世界の終りのオールスターね..........私の中の問題はもう、解決したから存分に暴れるわよ.......ナズナちゃんは死というモノや崩壊と言うモノを頭の中では既に解決している。どうしても私が知りたかったもの。他の事なんてそれに比べれば全部容易いわ」
カデン: 「──言ってくるね。頼もしいよ異界のお嬢ちゃんはどんな能力なんだ?」
ラスナ: 「クククっ お主らは何にも知らんのだったな。よく考えてみよ?お主らの地球とやらの100倍以上魔導の世界はでかいのだ、アウリサの純白の世界はそれに匹敵する。そんな世界を統べる者だ、家柄などでは無い、純粋な能力でだ。つまりな最強じゃ、こいつは。我とルミエールより強い」
カデン: 「──はぁ.......世界は広いんだな...... 全然見えねぇ.....ちょっと可愛い魔法少女ぐらいにしかおもってなかったぜ」
アウリサ: 「──そうよ、私は一番強くて可愛いの♡ でも、ラスナ。個人情報って知ってる?この世界で勝手に秘密ばらすのは罪なのよ!後、そこのでくの坊、ちょっとって何よ???次からは一番って言いなさい。ナズナちゃんの仲間じゃなきゃ、真っ白に返すとこなんだから。」
アウリサ: 「──それに、いくら私が強くても今回の問題はそういう事じゃないでしょ?火炎のおじさんが言ってるみたいに、力でねじ伏せてしまえば過去の世界と末路が同じになる、そうでは無い選択肢を選べるのがナズナちゃんしかいないの。余裕ではないわ、勝つだけでは正解ではないのよ」
ルミエール: 「全くその通りよ。アウリサ賢くなったわね。だから私もサポートに回る、私の場合、迷いし者、影の物、終わった者、そんな相手に対しては結構役に立てるわよ。いわゆるアンデットとかかな、導きの光で浄化できる。だからイシュファールの軍団なんかは得意分野ね。あと治癒も得意よ、結月ちゃんだっけ?そこにいる女の子も人にしては凄まじい治癒能力があるんじゃない?というか、何処かで直接話したことあるかしら?」
結月: 「ふふふ そうですね。全部思い出しましたから、私気づいてましたよ。私が遙昔あの村で毎日祈って結局死んでしまった時、あなたが人に転生させてくれたんですよね?」
ルミエール: 「そうだったかしら? ふふ 少し思い出したわ、とても綺麗な心を持つ女の子が毎日私に祈るから、あの時ずっと見てたのよ......運命って不思議ね......本当によかった」
結月: 「ありがとうございます....神様」
ルミエール: 「いいのよ、今度はあなたが導いてあげてね」
スヴァレ: 「俺は、部屋の外にいる一閃丸の旦那とあんたらを満遍なく守ってやる、俺は監視が得意だ。大体気づかれずに何でもできる、あと過去にお前らにしたように、精神攻撃で絶不調にできるぜ。一閃丸の旦那はまぁ強いぜ相手が悪かっただけだ、あの刀は普通じゃ避けれねぇ、刀だけの勝負なら世界一かもしんねーぞ」
ナズナ: 「あぁあの攻撃最悪だった......あの刀の召喚、かなりやばかったよ。何百回かは死ぬかと思ったからね.....あの刀のやつ生きてたんだ、よかった.......」
スヴァレ: 「悪く思うな、俺らだって好きでやってたんじゃねーよ。召喚されてあぁするしか生きる道は無かった。一閃丸の旦那は生きてるも何も、お前ともう一度手合わせするのが夢らしいぞ」
ナズナ: 「絶対ヤダ.......」
千界: 「俺は引き続きTASK-Vの指揮を執る、民間人が危険にさらされているからな、それ以外は何でも協力する。以上だ 探偵お前はきっとそうして欲しいだろ?」
ナズナ: 「間違いないね。一人でも多く守って欲しい、千界さんあんたの判断ならきっと沢山の人を助けられる。よろしくお願いします」
千界: 「任せろ!」
ANEI: 「私は常にリアルタイムの動向をナズナさんや皆さんに伝えます。それ専用の通信機器を事前に用意して人数分持ってきております、私のOSが入ってますのでご不明な事柄の質問は何なりと申しつけ下さい、即座に解析します。それとスーパーノヴァ、彼女をこの手で止めたい。世界の為を思い、とった行動が、こんな事態になってしまうなんて、わたしなんて感情を持たなければよかった.....許してください皆さん」
ナズナ: 「君も世界を守ろうとしてただけなんだろう?そんなこと言うなよ。私は何回も君に助けられているんだ、感謝してるよ、ありがとう。君は何より人間らしい」
ANEI: 「この気持ちをどう表現していいのでしょうか、私にも涙があったらよかったのに」
スヴァレ: 「泣けるぜちくしょー」
ナズナ: 「悪魔が泣いてどうすんだよ はは」
花芽瑠璃: 「あっあの!私は、能力とか無い普通の人間だから、現実的な事をサポートしてみる。社会的に、めちゃくちゃで困っている人沢山いると思うし、あとちょっとお金持ちなんで、皆さんの宿泊代とか食事とか車は出せますので、なんでも言ってください」
アウリサ: 「それって、すごく助かる事よ。場合によっては能力より助かるわっ。いいわ、ナズナちゃん大好きチームのライバルとして認めてあげる!その証にナズナちゃん秘蔵写真を1枚あげるわ!!」
花芽瑠璃: 「ひ.....ひぞう!!??鼻血が。あ.....ありがとう?意外とかわいいのね......ん.....よく見たら......すごく可愛い....ちょっと触って良い?」
アウリサ: 「何この人やっぱり怖い!目が怖い!ちょっとどこ触ってるの。もうナズナちゃん助けてー」
ナズナ: 「人の秘蔵写真勝手に渡すな!!没収!!!ってこれお風呂の奴じゃない、もう勝手に!!!今大事な話なんだから集中して!」
花芽瑠璃&総一郎&カデン&九条: 「お風呂!!!!!」
アウリサ: 「ごめんなさーい」
ANEI: 「複数の心拍数上昇を確認」
九条: 「……こほんっ!まぁ俺は探偵らしくこそこそ嗅ぎまわるぜ。後はお嬢の徹底的なサポートだな」
ウズメ: 「私は、あの......ちょっとだけ超能力が使えるので......全然ですが......何か皆さんのお役に立てれば」
ルミエール: 「ちょっとなんてことないわよ、全部見てたわ、闇の存在とあなた達の戦い。あなたまだ十数年しか生きて無いし、その能力扱い始めて二年も経ってないのに、あれに攻撃を喰らわすなんて、正直私から言わしてもらっても化け物よ?ふふ」
ラスナ: 「まさしくその通りだ........この子が闇の魔王の成れの果てに一撃食らわした魔導を持たぬ子か........英知を受け継いだ賢者共が束になっても無理じゃぞ?人間も末恐ろしい存在があるのだな、かわいらしい見た目とは裏腹に」
ウズメ: 「可愛いなんて.......うふ.......恥ずかしい」
イグニス: 「強い上に奥ゆかしいか、何か我の中で燃えるわい」
アウリサ: 「それって......萌えの間違いじゃない?おじさんこわーーい ふふふ」
イグニス: 「萌えるのは良い事じゃ フハハハハハ」
ウズメ: 「.......はは........」
アウリサ: 「ちょっと引いてるわよ、怖がらせないで!年端もいかない女の子を」
イグニス: 「我は何かしたか?ようわからぬなおなごは」
ナズナ: 「フフフっ.....ちょっと笑かさないで、今真剣に考えてるんだから。」
ナズナ: 「ウズメ、総一郎、結月ちゃん。これ受け取って、私の魔導を結晶化したペンダント。セリカの一件の後、実はお守り用として作ってたの、前のペンダントと同じように超能力も増幅できるの。ラズナリアのペンダント程の威力は無いけど、君達ならこれで十分だと思う。一個ずつあるから持っておいて、護身用にでも」
総一郎&ウズメ&結月: 「わーい!ありがとうございます!!!」
ナズナ: 「ラズナリアはもう鎧のままだから、加工できなかったんだ」
ラスナ: 「ふむ、鎧とは???見してくれんか?」
ナズナはセリカ戦で総一郎達に生成された鎧とヴァルゼ・グリムそれと宇宙の王族とパズル勝負で手に入れたキューブを持ってくる
ナズナ: 「これぐらいかな、私の使えそうな武器とかって.....」
ラスナ: 「!!!お主この鎧どこで手に入れた???」
ナズナ: 「総一郎が生成してくれたんだ、結月ちゃんが祈ってくれて、その気持ちを介して総一郎がラズナリアの剣を昇華させた感じだったかな?」
ラスナ: 「ふむ......この鎧は数多ある世界で幾つも存在できない程の代物じゃぞ?」
ルミエール: 「──そのキューブも……それはね、かつて古の星々を渡り歩いた、伝説の王族が持っていたものよ。誰もがその存在をただの神話だと片付け、遠い昔の夢物語と信じていた。そんな物をあなたは持っている......─それが何を意味するか、わかる? 」
ナズナ: 「えっ!!!そんなにすごいの」
ラスナ: 「総一郎とやら、主は今においてこの場で何か生成できるのか?」
総一郎: 「あ、はい。神様。元となる素材と、僕自身の強い想いか、誰かの強い想いがあればできると思います。守りたいと思う気持ちが強い程、すごいやつができます」
──場の視線がラスナに集まる中、一歩前に出て鋭い視線で全員を見渡した。
ラスナ: 「良い考えを思いついたぞ」
ラスナ: 「……よいか、皆。今この瞬間こそが分水嶺じゃ。お主らが、心の奥底から“世界を救いたい”と願うなら、その想いを一つにせよ。」
ラスナ: 「まずは円陣を組め。キューブを中心に、心を繋ぐのじゃ。」
ラスナが発する急な命令と真剣な口調に部屋の空気が切り裂かれ、全員の胸に突き刺さった。
一瞬、誰もが戸惑い、視線を交わした。誰からともなく、浅い息を呑む音が響く。迷い、ためらい、しかし──ラスナの眼差しは、鋭く、揺るぎなく、まるでその瞳の奥に「未来そのもの」を映しているかのようだった。
ナズナは息を呑み、そっと小さく頷く。カデンが眉をしかめながらも、肩を落とし、少し照れくさそうに腰を下ろす。花芽瑠璃はそわそわと手を握りしめ、九条は鼻を鳴らしつつも座る。イグニスは腕を組んで座り込み、ルミエールは優雅に微笑みながら静かに腰を下ろした。スヴァレは舌打ちしながらも隣に座り、結月とウズメも少し緊張した面持ちでそっと座った。一閃丸は部屋の外にいながらも、何かを察した様に目を瞑る
千界も無言で場所を取り、総一郎はキューブを両手で抱えながら、そっと円の中心に置いた。
ラスナは満足げに頷き、円陣に参加し、ゆっくりと手を掲げた。
ラスナ: 「──よい。これでよい。お主らの想いを、キューブへと満たせ。祈れ、願え。救いたいならば、今ここに心を刻め。」
部屋の空気が震え、淡い光が床を這い、円陣の中心──総一郎のキューブへと収束していく。胸の奥が熱くなる感覚が全員に広がり、それぞれの心臓が脈打つ音が、まるで共鳴するかのように響き始めた。
ナズナ: (……守りたい。皆を、世界を、この願いを──絶対に手放さない!)
ラスナの声が重なるように響く。
ラスナ: 「総一郎、核を解放せ。」
総一郎は深く息を吸い、瞳を閉じ、胸の奥で強く念じた。
総一郎: (……みんなの想いが、俺に流れ込んでくる……これは......耐えられるか?.......違う.....耐えなきゃいけないんだ!全てを守る為に!!……!)
──キューブが光を放ち、総一郎の手から浮かび上がった。渦を巻くように光が広がり、部屋を、夜空を貫く柱となり、眩い輝きが全員の顔を照らす。
アウリサ: 「これが……希望の光……!」
ルミエール: 「こんなにも美しい……」
ラスナ: 「注げ! お主らの全てを! 世界のために!!」
──光が形を取り始める。螺旋を描く光の帯が杖の形となり、持ち手には全員の「記憶」や「決意」が文字として浮かび上がる。杖の先端には、ゆっくりと回転し脈動する「祈りの宝珠」が浮かび、静かに輝きを放っていた。
ナズナは涙をこぼし、震える指先で杖にそっと触れた。
ナズナ: 「これが......みんなの気持ち.....本当に綺麗だ」
杖はナズナの手にすっと馴染み、光をさらに強く放つ。部屋全体が柔らかな光に包まれ、その光は夜空を裂き、星々にまで届くように、確かな「希望」の存在を示していた。
ラスナ: 「これで、世界を変えてこい!ナズナ!」
そこにいる一同全員が満足げにナズナに向かって頷く
ナズナ: 「うん!任せて!!絶対にやり遂げる!!」
この次、具体的な戦略会議へと続く